超音波エコー、トリガーポイントについて

超音波エコー、トリガーポイントとは

筋膜性疼痛症候群(MPS)とは

筋膜性疼痛症候群(きんまくせいとうつうしょうこうぐん、Myofascial Pain Syndrome:MPS)は、Myofascia=筋肉を包む膜「筋膜」の異常から起きる、痛み・シビレのなどの症状を起こす疾患です。
日本では筋痛症とも呼ばれることもあります。

通常、我々が急激に重い物を持ったり、無理な姿勢等により繰り返し筋肉に負荷をかけると筋肉に微小損傷が発生します。いわゆる筋肉痛の状態です。
通常、この痛みは数日程度で自己回復をします。

筋膜性疼痛症候群(MPS)では一般的な筋肉痛とは異なり、痛みやしびれの強さが相当激しいものになり、更に痛みやしびれの範囲が広範囲に発生します。

肩の痛み

痛いところが本当に悪いところ?

筋膜性疼痛症候群(MPS)の複雑なところは、「痛みを感じる場所が痛みの原因ではない事」です。

私たちが指を切ったり、骨折したり、捻挫をしたりすると「痛みを感じる場所=痛みの原因」と、当然分かりますが、筋肉や内臓の痛みの場合は少し違っています。
「痛みを感じている場所」と「痛みの原因」が一致していないことが多いのです。(70%は一致しない)

症状が出ているところだけ治療しても結果が出ないのは、この筋肉の痛みの特徴により、治療しているところにズレがあるからなのです。(※腱、靭帯の痛みなどは例外があります)

痛みを感じている場所に囚われず、痛みの原因となる場所を正確に探しだすことが重要になります。

トリガーポイントとは?

上記で説明した痛みの原因箇所をトリガーポイントと呼びます。
トリガーは「引き金」という意味で、銃の引き金を引くと弾が遠くまで飛んで行くのと同じように、トリガーポイントが引き金となって、遠くの場所に痛みを飛ばしているのです。

その遠くの場所に感じる痛みを「関連痛」と呼んでいます。

トリガーポイントのなかでも、認知覚があるものを責任トリガーポイントとよび、責任トリガーポイントを改善することが本当の痛みの改善につながります。
認知覚とは「痛い所はそこだ!」「そこそこ!痛いのはそれだ」と本能的に感じることです。

最新の研究では、「筋膜の癒着」がトリガーポイントなのではないか?(仮説)と考えております。
筋膜とはなにかというと筋肉や内蔵、骨など全身を包んでいる「膜」のこと。
運動不足や不良姿勢などでこの膜が動かなくなり、膜同士が癒着していくのです。

実際、超音波エコーでみてみると、「筋膜の癒着」があるところは、太い白い線に見えるのです。
その部分に鍼を打つと、「響き」や「認知覚」がでて、その癒着をバラけさせると、痛みやシビレなどの症状が軽くなるのです。

超音波エコー

超音波エコーとは

鍼灸院で超音波エコーを導入する意義は大きく2つあります。
「鍼施術不適応疾患の見極め」と「狙った箇所への正確な刺鍼」です。

鍼施術を行う上でこの症状は鍼を打ってもいいものなのか、病院で検査をした方がいいものではないかを評価することは非常に重要です。

エコーを用いることで
・トリガーポイントや筋膜などの軟部組織が関係する痛みなのか
・血流増加などの炎症所見があるのか
・骨折や血腫や腫瘍があるのか
・刺鍼部位に肺や血管、神経はないか
などの判断の精度を上げることができます。

当院では「SonoSite EdgeII」で観察を行っており、観察結果による判断を行った上で、患者様に最適な施術を提案させて頂きます。
(※鍼が不適応の場合は連携している医療機関をご紹介させていただきます。)

超音波エコー×トリガーポイント鍼

超音波エコーを用いることで「狙った箇所への正確な刺鍼」が可能となります。

超音波エコーとトリガーポイント鍼施術はとても相性が良く、身体の中と鍼先をリアルタイムで観察しながら施術することで今までアプローチが難しかった部位に対しても安全、正確な施術が行えます。

例えば
・神経、血管などが多く存在する部位である斜角筋
・体表から10cm以上深層にあり、臓器や血管に囲まれている大腰筋深部
・すぐ深部には肺がある背部の最長筋、腸肋筋
・細かい筋肉の集合体である後頭下筋群
など、正確な刺鍼が求められる部位に対して神経、血管などを避けながら安心、安全、的確にアプローチしていきます。

超音波エコー使用ポリシー

  • 当院ではエコーを運動器疾患の評価、治療以外(不妊、逆子、美容)には使用しません。
  • 当院ではエコーを用いても医師法に規定された医行為にあたる「診断」はしません 。
    (※西洋医学的な病名を患者に伝えること、およびそれに類似した行為を言います)
  • 当院ではエコー観察料の自費請求およびエコーを用いた医薬部外品等の案内等は推奨しておりません。
超音波エコーは薬機法Class2の分類で、公的保険外であれば誰もが使用できる医療機器になります。
当院ではエコー観察の自費請求はしておりません。

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